2010.04.26 障害者自立支援法

障害者自立支援法(しょうがいしゃじりつしえんほう)とは、「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができる」ようにすることを目的とする日本法律である。

厚生労働所 社会・援護局障害保健福祉部企画課http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0214-1.html

独立行政法人福祉医療機構
http://www.wam.jp/shienhou_guide/

従来の制度と比較して、障害に対する継続的な医療費の自己負担比率が、5%から10%に倍増した。狙いは、少子高齢化社会に向け、従来の支援費制度に代わり、障害者に費用の原則1割負担を求め、障害者の福祉サービスを一元化し、保護から自立に向けた支援にある。また、同時に国の財源負担義務を課している。

2005年(平成17年)10月14日参議院本会議を通過。同年10月31日衆議院本会議において自由民主党公明党の賛成多数により可決、成立。2006年(平成18年)4月1日に一部施行、同年10月1日に本格施行。

2009年(平成21年)9月19日民社国連立政権鳩山内閣長妻昭厚生労働大臣は同法の廃止を明言。

法律立案者のねらい [編集]

  1. 障害者の福祉サービスを「一元化」
    サービス提供主体を市町村に一元化。障害種別(身体障害知的障害精神障害)にかかわらず障害者の自立支援を目的とした共通の福祉サービスは共通の制度により提供。
  2. 障害者がもっと「働ける社会」に
    一般就労へ移行することを目的とした事業を創設するなど、働く意欲と能力のある障害者が企業などで働けるよう、福祉側から支援。
  3. 地域の限られた社会資源を活用できるように「規制緩和
    市町村が地域の実情に応じて障害者福祉に取り組み、障害者が身近なところでサービスを利用できるよう、空き教室や空き店舗の活用も視野に入れて規制を緩和する。
  4. 公平なサービス利用のための「手続きや基準の透明化、明確化」
    支援の必要度合いに応じてサービスを公平に利用できるよう、利用に関する手続きや基準を透明化、明確化する。
  5. 増大する福祉サービス等の費用を皆で負担し支え合う仕組みの強化
    1. 利用したサービスの量や所得に応じた「公平な負担」
      障害者が福祉サービス等を利用した場合に、食費等の実費負担や利用したサービスの量等や所得に応じた公平な利用者負担を求める。
    2. 国の「財政責任の明確化」
      福祉サービス等の費用について、これまで国が補助する仕組みであった在宅サービスも含め、国が義務的に負担する仕組みに改める。

法律の概要 [編集]

自立支援給付 [編集]

  • 介護給付費 – 9割給付1割原則自己負担
    • 居宅介護
      • 障害者等につき、居宅において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 重度訪問介護
      • 重度の肢体不自由者であって常時介護を要する障害者につき、居宅における入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜及び外出時における移動中の介護を総合的に供与すること
    • 行動援護
      • 知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 療養介護(医療に関するものは除く)
      • 医療を要する障害者であって常時介護を要するものとして厚生労働省令で定めるものにつき、主として昼間において、病院その他の厚生労働省令で定める施設において行われる機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び日常生活上の世話の供与
    • 生活介護
      • 常時介護を要する障害者として厚生労働省令で定める者につき、主として昼間において、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設において行われる入浴、排せつ又は食事の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 児童デイサービス
      • 障害児につき、肢体不自由児施設その他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、日常生活における基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 短期入所
      • 居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設への短期間の入所を必要とする障害者等につき、当該施設に短期間の入所をさせ、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 重度障害者等包括支援
      • 常時介護を要する障害者等であって、その介護の必要の程度が著しく高いものとして厚生労働省令で定めるものにつき、居宅介護その他の厚生労働省令で定める障害福祉サービスを包括的に提供すること
    • 共同生活介護
      • 障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 施設入所支援
      • その施設に入所する障害者につき、主として夜間において、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
  • 特例介護給付費 – 9割給付1割原則自己負担
  • 訓練等給付費 – 9割給付1割原則自己負担
    • 自立訓練
      • 障害者につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、厚生労働省令で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 就労移行支援
      • 就労を希望する障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 就労継続支援
      • 通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
    • 共同生活援助
      • 地域において共同生活を営むのに支障のない障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助を行うこと
  • 特例訓練等給付費 9割給付1割原則自己負担
    以下のサービスにおいて食事の提供に要する費用、居住若しくは滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用又は創作的活動若しくは生産活動に要する費用で厚生労働省令で定める費用は支給対象外
    • サービス利用計画作成費
    • 高額障害福祉サービス費
    • 特定障害者特別給付費(一部施設入所者のうち低所得者に対し食費及び家賃を支給する制度)
    • 特例特定障害者特別給付費
    • 自立支援医療費 – 9割給付1割原則自己負担 (食事療養・生活療養については通常生活において必要な費用は除く)
    • 療養介護医療費 – 9割給付1割原則自己負担 (食事療養・生活療養については通常生活において必要な費用は除く)
    • 基準該当療養介護医療費 – 9割給付1割原則自己負担 (食事療養・生活療養については通常生活において必要な費用は除く)
    • 補装具費 – 9割給付1割原則自己負担 所得制限あり

地域生活支援事業 [編集]

市町村が行うものとされている事業
  1. 障害者等が障害福祉サービスその他のサービスを利用しつつ、その有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他の厚生労働省令で定める便宜を供与するとともに、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のための関係機関との連絡調整その他の障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行う事業
  2. 聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等につき、手話通訳等(手話その他厚生労働省令で定める方法により当該障害者等とその他の者の意思疎通を仲介することをいう。)を行う者の派遣、日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
  3. 移動支援事業
  4. 障害者等につき、地域活動支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
都道府県が行うものとされる事業
地域生活支援事業として、相談業務等のうち、特に専門性の高い相談支援事業その他の広域的な対応が必要な事業として厚生労働省令で定める事業を行うものとする。

退院支援施設 [編集]

日本の精神病棟は世界的にも多く、他国と比べると異例である。精神障害者の中には長期入院が続き、中には社会的な入院患者もいる。そういった人たちのための、退院支援施設を作ることになった。また、施設は病棟の外部だけではなく、内部にも作れる。「これは社会的入院患者を覆い隠す手段だ」と、多くの障害者団体からの反対を受けているが、2007年4月1日から施行された。

ピアサポート強化事業 [編集]

当事者組織や当事者の関係できる部分を市区町村単位で助成する仕組み。

手続 [編集]

介護給付費や訓練等給付費等市町村に対して申請して支給決定を受ける必要があり、審査会における判定に基づいて障害判定区分を認定し、その障害判定区分、その障害者等の介護を行う者の状況、障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向等を勘案して支給の要否を決定する。なお、これらの処分に不服がある者は都道府県知事に審査請求をすることができ、都道府県は不服審査会を設けることができる。これらの処分についての取消訴訟は審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない(審査請求の日から3ヶ月を経ても裁決が出されない場合等は訴訟を提起できる)。

多くの病院において、手続に必要な書類は「申請書」「診断書」「健康保険証」「所得の状況を確認できるもの」と案内されているが、「所得の状況を確認できるもの」は住民税の支払額に関する資料であり、源泉徴収票などでは手続きを拒否されるケースが多い。本法律施行時に現場レベルでの混乱を避けるために、「所得の状況を確認できるもの」がなくとも「一定以上の所得がある」とみなして手続きを行い、「みなし」であることの説明がされないケースが多かったため受給者の間に誤解が生じており、法律施行後1年を経た2007年上旬現在、更新手続においてのトラブルが見受けられる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%87%AA%E7%AB%8B%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%B3%95

2010.04.26 |

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障害者自立支援事業部
担当:関口、小野

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